代表者メッセージ

移住者は年間約350人
その数が、小豆島の魅力のあかし

丹生 兼宏

小豆郡雇用対策協議会 会長

豊かな自然も、便利な住環境も、両方ある島

小豆島は移住先として非常に人気が高く、年間約350人もの方が全国各地から来られるほどです。美しい海や山といった豊かな自然と、住むには便利な環境が両立しているのも、理由の一つでしょう。空気はおいしいし、すぐそばに海も山もある。漁業も農業もさかんなので、旬の食材が豊富にあり食の環境も豊かです。古い家々が軒を連ねる街並みや、棚田が広がる島の風景も美しいですよ。どこか懐かしい気持ちにさせてくれると、若い方からも人気です。一方で、島内には大型スーパーが4店舗、コンビニが6店舗、100円均一ショップやホームセンターのほか、郵便局・金融機関、充実した医療施設といった生活に欠かせない施設もそろっています。これはなかなか贅沢な環境といえるのではないでしょうか。自然あふれる静かな暮らしを望んでいても、あまりに日々の生活が不便だと定住は難しいですからね。

こうした小豆島の持つ魅力だけに甘んじることなく、受け入れ体制の強化にも力をいれています。住居探しや家賃補助など、行政の家に関する支援も手厚いですよ。空き家バンクも活発で、こちらは官民が一体となって盛り上げています。移住を検討している方限定のお試し住宅もあり、これらの制度を利用して実際に住居を手に入れ、移住の足掛かりにする方も多いですね。

ここは小さな島ですが、古くから採石や醤油、素麺、ごま油、佃煮など多様な産業が盛んな土地でした。そのためか文化的にも豊かで、農村歌舞伎や虫送りの祭りなど多くの伝統文化が今も受け継がれ、島の魅力にいっそう深みを与えています。そして近年はオリーブ産業がさかんになり、島にさらなる活気を与えています。教育レベルが高いのも、それを支える経済力があるからでしょう。高校卒業者の大学進学率は約9割にも上ります。

創意工夫で、未来を創りだす風土

一方で苦戦しているのが、海上輸送のコストです。本州と比べると船賃が余分にかかり、価格競争では戦えません。対抗策として、島では地場製品の付加価値づくりに注力しています。例えば島の伝統産業のひとつ、醤油醸造なら、木桶仕込みにこだわったことで全国から注文が来るようになりました。さらに県外の醸造蔵が木桶づくりを学びに来るなど、新しい広がりも見せています。

そもそも、この醤油醸造もそれまでの塩業が他地域との価格競争で苦しくなったため、塩を使った産業をと考えたのが始まりです。私は、小豆島にはこうした創意工夫を得意とする風土を感じます。オリーブ産業においても食用オイルではなく高い付加価値を付けられる化粧品に加工にしています。また香川県唯一の発酵試験場やオリーブ関連の研究所をはじめ、企業の研究室がいくつもあり、過去には国内トップシェアのマイクロチップを開発した企業も小豆島から生まれています。こうした研究室などが優秀な人材を新たに呼び込んでいて、これからの小豆島がどう発展していくのか、楽しみです。

醤油醸造から精密機器製造、研究室まで多彩な就職先

私は、島の過疎化や雇用問題を解消したいという想いから、小豆郡雇用対策協議会の会長を約14年務めています。今は新しい取り組みとして、青年会議所から協力要請をいただいた「民間レベルでの雇用支援」の実現に力を入れています。

具体的には、人材を求めている島内の企業と、職を求める移住希望者とのマッチングです。ただ条件面だけで仕事を紹介するのではなく、移住希望者からどんな仕事に就きたいか、どんな生活がしたいか、また将来の展望などについてしっかり伺って、合いそうな企業があれば、一緒に訪問して職場を見学するところまでお世話をしたいと考えています。そうした手厚いフォローは、民間レベルだからこそできることではないでしょうか。そして島には醤油やつくだ煮などの製造業、観光・宿泊施設でのサービス業、オリーブ関連の研究職や農園での作業など、いろいろな業界や職種から仕事を選択してもらえると思います。

先ほどお話ししたように、小豆島は創意工夫に溢れた島です。これからも島外の方が安心して移住して来られるよう、そして定住していただけるよう、いろんな策を考えて実施していきたいですね。仕事、住居、医療、教育、そして何より豊かな自然と穏やかな暮らし。すべてが揃う小豆島で、どうぞ豊かな暮らしを楽しんでください。

丹生 兼宏

小豆郡雇用対策協議会 会長

小豆島出身。高校卒業後県外の大学へ進学。卒業後は高松で就職し土木コンサルタントに。20代半ばで帰島し、現在は株式会社トミウンなど小豆島の3企業の会長。地域活性のため土庄町商工会や小豆島ロータリークラブの会長も務める。