はたらく人

自分が
本当にやりたいことは、
人が与えてくれる

後藤 陽菜

株式会社オノデラコーポレーション

飛び込んだ先は、見知らぬ港町

日本語教師を目指して、日本文化学科に入学した学生時代。でも、色々と学ぶうちに将来の進路を迷うようになっていったんです。就職活動では多種多様な業界にエントリー。最終的に地元愛知県のIT企業から内定をいただいたものの、心のどこかに「この道で本当にいいのか」という想いがあったのかもしれません。偶然見かけたマチリクのサイトで、株式会社オノデラコーポレーションの求人を見たとき、「この会社の面接を受けよう」とすぐに連絡をしていました。

以前、一度訪れた気仙沼市のことが気になっていたからなのか、愛知県以外のまちに挑戦してみたかったのか。当時の私は、言葉では上手く説明できない感情に突き動かされていました。面接を対応してくださった専務のエネルギー、「このまちで一緒に新しいなにかを始めよう」という言葉。その全てが温かかった。家族も親戚も友達もいない、見知らぬ港町。ここで見知らぬ新しい私が始まる。不安がなかったわけじゃない。でも、ただひたすら高揚していました。「あなたの人生なんだから、あなたが好きなようにやりなさい」。そんな家族の言葉とともに、私の挑戦は始まりの日を迎えました。

小さいからこそ、大きい

気仙沼市に来て3年目。現在、私は店長としてカフェの経営を任されています。売上の管理をしたり、スタッフを採用したり。日々の業務は多岐にわたっています。当社の社員数は15名ほど。誰が欠けてもお店を運営することはできませんし、一人ひとりが背負う責任も都会の企業に比べると大きいように思います。新メニューを開発するときは全員で知恵を絞りますし、社長をはじめとした経営陣も顔が見える距離にいます。自分次第で会社全体にいい影響を与えられることは大きな魅力ですが、その反面「売上を上げるためになにが必要か」「もっとお客様の視点で内装をチェックしなさい」と指摘を受けることも少なくありません。

今でもディスカッションするときは緊張しますし、日々、同じ経営を担う者として多くのことを勉強させてもらっています。少数精鋭だからこそ、新人がやれることも、新人が学べることも大きい。実は今の店舗は移転する予定なのですが、その新しい店舗の経営戦略にも関わっています。お客様にどうやってアピールしていくのか。まさに今、社長と議論を重ねているところです。

暇な日なんて、5日もなかった

今、たくさんの人が私を支えてくれています。会社の同僚は「いい魚もらったからいる?」と一人暮らしの私を気づかってくれますし、リクルートの研修で出会った「気仙沼入社同期」は仕事面でも生活面でも心強い存在です。地域の方も「そういえば本が好きだったよね。読書会を開いてみない?」「チラシを作るんだけど、イラスト描いてよ」と私の可能性をどんどん広げてくれるんです。“同じまちで暮らす仲間”という想いで全員がつながっているからなのか、たとえ同業他社であっても隔たりはありません。思えば気仙沼市に来てから、一人で過ごした日なんて5日間ほどしかありませんでした。

実は就職活動をしていたころ、父に「自分が本当にやりたいことは人が与えてくれるものだ」と指摘されたことがあるんです。今は、その言葉の意味が痛いほどよくわかります。これから先、私がどうなっていくのかは私にもわかりません。ただ、この見知らぬまちが、私のまちになっているのは間違いない。今後もなんにでも挑戦して、成長して、いつかは気仙沼市に恩返しできたらなと考えています。

後藤 陽菜

株式会社オノデラコーポレーション

2016年、南山大学卒業。リクルート主催の事前研修を受け、アンカーコーヒーを運営するオノデラコーポレーション入社。1週間の社内研修を経て店舗に配属。2年目より副店長を任され、3年目に店長に抜擢された。